日本財団の調査シリーズ「18歳意識調査」において、第35回調「コロナ禍とストレス」の調査設計と分析をサポートしました。
調査結果はこちら
若年層が、コロナ禍でどのような生活変化を経験しているのか。その変化が、どのように心身の不調と関わっているのか。基本属性に加えて、進路、学業状況、趣味、コーピング手法、経済階層など、複数の観点から検討しています。
まずわかるのは、過去一年間の生活を振り返ると、それまでに比べて外出して友人と過ごすような活動が減り、スマートフォンを操作するような自宅で一人でできる活動が増えた、また家族と過ごす時間も増えたなど、コロナ禍の影響によると思われる変化が広く見られたことです。
また、こうした生活の変化は、回答直前の時期のストレス反応(ストレスによって典型的に生じるような心身の状態)とも関連していました。
速報分析では、一人での屋内活動が増えたことと外出しての活動が減ったことが、それぞれより強いストレス反応と関わっていることが示されました。また女性の方が総じてストレス反応が強かったのですが、そうした男女差の一部は、女性の方が外出しての活動をより減らしていたことと関わっていました。
他方で、家族との時間が増えたことは、ストレス反応が低いことと関連していました。コロナ禍は、ストレスを強める方向と弱める方向の両方の生活の変化をもたらしたようです。
これらに加えて、様々な趣味の有無、コーピング(ストレスに対処しようとする行動)のレパートリーなどの観点からも、今後分析を進めていきます。